木とともに生きる…それが人間にとって自然な姿かもしれない。
私たちにとって欠かせない木のある暮らしに迫る。

木の特性を知る

気持ちが安らぐ木の香り

森林

森の中を歩くと気分がリラックスすることはよく知られています。これは樹木から発散されるフィトンチッドと呼ばれる香り成分が森の中に立ち込めていて、それを吸引することで精神的な沈静作用を得ることができます。植物の香りによって不安や頭痛をやわらげる方法は、アロマテラピーにも応用されています。木材から放射される香りの成分の中にも、脈拍数や血圧を安定させたり、ストレスによる精神的発汗を抑える物質が含まれています。また、直接人体に良い影響を与えるだけでなく、消臭作用、防虫作用、防カビ作用、抗菌作用など、間接的に健康に寄与する効果も認められています。

軽くて強い木の特徴生かす

どんなに強い素材であっても、自重が重すぎると、家屋は自然に倒壊してしまいます。つまり、建築には軽くて強い素材が向いています。おそらく多くの人が「コンクリートは木よりも硬くて強い」と思っています。ある部分では正しいのですが、始点を変えるとその関係は逆転します。比重と引っ張り強度で両者を比べると、木はコンクリートよりも断然強いといわれています。

木肌は目にやさしい

森林

木材には紫外線をよく吸収し、赤外線を反射する性質がある。表面の凹凸が光を拡散するため、結果的に目に対する刺激がとても少ない。木肌は金属やガラスのようにギラギラせず、落ち着いた状態を作り出すと言われています。

木のパワーを知る

木造住宅は地震に強いのか?

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阪神淡路大震災で多くの木造住宅が倒壊しました。そのため「木造住宅は地震に弱い」というイメージが一人歩きしてしまっていますが、実際に全半壊した家屋は、1981年以前の「建築基準法」で建てられた老朽化の進んだものがほとんど。1990年以降に建てられた家屋は「ガラスが割れた」「外壁に小さな亀裂が入った」という程度の軽微な被害で済んでいるのです。つまり木造住宅であっても、基準をクリアした構造でしっかり建てていれば、阪神淡路大震災レベルの地震では倒壊しないことはデータで照明されているのです。

木は腐らない

適度な通気性が保たれ、木自体が呼吸できる環境にあれば木は1000年以上も腐りません。これは法隆寺の建造物を見れば明らかです。
一方、鉄は空気に触れると酸化が始まり、やがて内部の組織が破壊、最後には腐るように朽ち果てます。ですので釘に頼るよりも木組みによる建築のほうが経年変化に対する耐久性は高いと言えます。
湿度、温度、日照条件などによって大きな差が出ることも十分にありますが、素材本来の性質として、木は腐りにくいことは間違いありません。

木のパワーを知る

木より軽い物質、木より丈夫な物質、木より断熱性に富む物質など部分的に木に勝る素材はいくつもあります。しかし、それらのすべてをカバーし、しかも加工しやすい素材となると、木を除いてほかにはありません。では、なぜ木がそれだけのパワーを秘めているのか。おそらくそれは、木が生き物だからでしょう。
生き物が本来持っている「生き抜こう」とする力こそ、木の根源的パワーだといえます。
「木と暮らす」。
この日常的な光景の中で、人間は自然の恩恵を計り知れないほどに受けているのです。

木は燃えない?

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たき火やキャンプファイヤーなどのイメージから、木は燃えるものと多くの人が思っています。しかし、一定以上の太さを持つ木は、表面こそ燃えるものの、内部まで燃えつきることはほとんどありません。これは木が燃える途中で内部に炭化層を作り、燃焼に必要な酸素の供給を絶つことによります。
一方、鉄は熱伝導率が高く、内部も高温に達するため、限界値を超えると一気に強度を失います。つまり、木造の躯体は焼け落ちることは少ないが、鉄骨構造の躯体は最後にグニャリと折れ曲がる可能性があります。素材として単純比較すれば、木は鉄よりも火に強い側面も持っているのです。

木は呼吸する

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空隙を無数に持つ多孔質の構造は、強さだけではなく、その他の力を生み出す要因にもなっています。最もよく知られているのは断熱材です。木の調湿性もよく知られています。
調湿性とは空気中に含まれる水分をコントロールすることで、木は周囲の湿度が多いときには水分を蓄え、周囲が乾燥すると水分を吐き出す性質を持っています。
木をふんだんに使った居室の湿度が四季を通じて安定しているのは、この多孔質による調湿性のおかげです。同じような原理で木は、消臭性、遮音性、クッション性なども持ち合わせています。要するに木は、住まいづくりに有利なさまざまな特性を持ち、それゆえに今も昔も建築素材の代表格なのです。

木の種類を知る

無垢材と加工材

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木材は、無垢材と加工材に大別されます。
無垢材は樹木を切り出して製剤したもので、天然木そのものを材料として使用します。一方、加工材は切り出した木を一旦スライスしたり、細かく粉砕した後、もう一度成型して加工したものを指します。
どちらも木を原料にしているが、加工材は無垢材に比べて人工的な色合いが強く出ます。ちなみに無垢とは、「混じり気ない」という意味を持ちます。

加工材のメリットとデメリット

さまざまな種類があるものの、加工材は「強くて扱いやすい」という特徴を持っています。無垢材のような狂いは少なく、サイズなども融通が効きます。
また、無垢材としては使えないB級材や製剤途中で出た端材などを利用するために安価で、資源の有効活用にもつながります。
デメリットは、加工中に接着剤などを使用するため、化学物質を発散する可能性を否定できない点です。ただし、最近の製品はその部分にも配慮しているものが多く、「加工材=化学物質を含む木材」と考えずにじっくりと木材を見ることが重要です。

無垢材のメリットとデメリット

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無垢材は、木本来の性質がそのまま出ます。そのため、木の力を十分に発揮することができるが、木材としては扱いにくい部分もあります。
最も顕著な例は「狂い」です。適正な含水率まで木をしっかり乾燥させ、経験豊富な大工が施工しなければ、立てた後に木が「ゆがむ」「そる」「割れる」ケースが出てきてしまいます。
また、同じ樹種であっても、木の性格が一つひとつ異なるため、その見極めが重要になります。したがって無垢材は、木に携わる職人の力量次第という側面があります。しかし木の性質をしっかり読むことができれば、化学物質を発散する可能性がないため、 シックハウス症候群などに悩まされる心配がなく、健康的な住環境を造り出すことができます。

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